編集後記
▽「良樹細根、大樹深根」という。
どんなに枝葉が茂っていても、根が張っていなければ、いずれ枯れるか倒れてしまう。細かく根がはっている木は枝葉もよく茂る。根が深くまで張っていれば、その分、大木になる。
正しい考え方というしっかりした根を張っていれば、やがてたくさんの枝葉を茂らせる良木になる。
民進党と希望の党が統一会派結成で合意したかに一時、見えたが瞬く間に破たん。国家運営の基本となる憲法と安全保障の点で、そりが合わないのだから、根なし草になってまで数合わせに狂奔することはない。
健全な野党なしに健全な政権与党も育たない。
(T)
▽NHKの大河ドラマ「─西郷(セゴ)ドン」が始まっている。
明治維新から150周年を迎え節目として西郷隆盛はふさわしい人物だ。
西郷は単なる「西洋に追いつき追い越せ」の富国強兵型近代主義者ではない。文明の核心は、華美で便利な近代の構築にあるわけではないことを見抜いていた。力による西洋型覇権ではなく、東洋的王道を求めたのが西郷だ。
その西郷哲学を端的に表す言葉がある。
「文明とは道の─普(あまね)く行はるゝを賛称せる言にして、宮室の壮厳、衣服の美麗、外観の浮華を言ふには非ず」と語った。文明とは、豪壮な建築群でもきれいな服でもなく、人としての道を守っているかどうかだというのだ。
(I)
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国会両院記者会所属 新政界往来社 新政界往来4月号(創刊昭和5年) 2018年3月10日発行 |