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霞ヶ関ファイル

玄葉光一郎外相の記者会見<11・20>

国防懸念を日中韓FTAでカバー?

 

【記者】本日、日中韓FTA ( 交渉開始)が合意する見通しですが、交渉開始、日本の狙いと期待をお願いします。

【外相】日中韓のFTAの交渉開始については、2週間くらい前から合意できそうだということでありましたが、いつも総理もおっしゃっているように東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と日中韓、そしてTPP、同時並行的に推進をするということで、やはり、日本が人口が減っていく中で海外、特にアジアの活力を取り込まないと生活水準を保てないということは間違いないわけであります。そういう意味で日中韓、御存じのように日本にとっては中国は最大の貿易相手国、韓国は3番目だったかと思いますけれども、そういう意味で互いに相互依存関係にあるこの経済の分野でFTA交渉が開始をするというのは大変喜ばしいことだと思っています。

 日中の関係も、大局的な観点に立って冷静に対処するのであるということを申し上げてきています。主権にかかわる問題というのは、どうしても時間がかかります。基本的な立場を維持しながら、何ができるのかということを考えていきたいというように思っています。経済・人的・文化的な交流、こういった分野は改善できる分野から改善をしていくということを考えたいというように思っていましたので、今回の日中韓、もちろん、中国側は中国側の狙いがあると思いますが、そういう意味で私(大臣)は日中韓のFTA交渉開始は非常に喜ばしいことだと思っています。

【記者】TPPですが、各党の皆さんは、それぞれ地元に帰ると都合よく、農業区では批判的なトーン、他のところに行くと国益にかなうということで、自民党から他の党も使い分けているのですね。民主党の方も残念ながら、まだ、そういうはっきり言いにくい地域があると思いますけれども、そうすると争点化というのはすごく難しいのではないかということもあるのですが。

【外相】私(大臣)の地元は被災地でもあり、農業県だし農業地域ですけれど、私(大臣)の主張は一貫をしています。

 結局、わが国は、生活レベルを維持するのであれば、海外の活力を取り込むしかないということです。ただ、その時に農林水産業との両立というものが大事なのです。両立をさせる方法は、私(大臣)は私(大臣)の考え方がありますので、それをしっかりと訴えていきたいというように思っています。

【記者】総選挙にからんで、集団的自衛権ですけれども、自民党と日本維新の会はかなり前のめりな発言をしてます。現政権は現段階では見直す方針はないというのが現政権の立場だと思いますが、大臣のお考えと、今回の選挙で民主党として集団的自衛権についてはどういう考えで臨むお積もりでしょうか。

【外相】これは今、党が議論しているのではないでしょうか。私(大臣)は強い問題意識を持っていますけれど。

<11・22>

【記者】自民党の政権公約が明らかになりました。外交・安全保障では、集団的自衛権の行使、また、自衛隊を国防軍と位置付けるというような柱になっていますけれども、大臣から見てどういうように評価されますでしょうか。

【外相】外交とか安全保障に、私(大臣)は与党も野党もないというように思っていますので、集団的自衛権については以前からも強い問題意識を持っておりますので、しっかり議論していけばいいというように思います。

 自衛隊のあり方については、まさに時代の変化に対応して、動的防衛力、そして、南西諸島防衛を含めた、より適切な防衛力の整備について、自民党政権時代よりも防衛力の整備のあり方については、しっかりと行ってきたと。議論もそうですし、実際にその整備も行ってきたというように思っていますので、その延長線上であれば良いのではないかというように思っています。


【記者コラム】

「主権」を経済文化交流で回避

 最近、一貫したテーマが無い玄葉外相の記者会見だ。北朝鮮との政府間協議、米軍関係者による事件・事故の防止策、尖閣問題、ガザ情勢など多岐にわたる。

 外交について、様々な事柄が外相に関わってくるのは当然だが、玄葉氏の外交姿勢をその中から汲み取るのは難しい。さらに今回、衆議院の解散が加わり、記者会見での質問、回答は一層、テーマが入り乱れた。

 だが、その中で外相発言から浮かび上がったのが政権公約で集団的自衛権の行使を掲げ主権問題を前面に出す自民党と、FTPや日中韓FTP問題に前向きな姿勢を示す民主党の違いだ。

 玄葉外相は、「主権にかかわる問題は時間がかかる」とし、「経済・人的・文化的な交流、こういった分野は改善できるところから改善していくということを考えたい」と会見で表明。

 主権に関わる問題は時間がかかるといっても、政権党の方針が明確に集団的自衛権の行使という主権国家として当然の権利を行使しなければ、時間をかければかけるほど、周辺国から防衛政策の不備に付け込まれ、状況が悪くなりかねない。その点を、外相は会見で煙に巻いた。

 世論調査では、憲法改正まで踏み込む安倍自民党の政権奪還の可能性が高まっている。民主党の及び腰外交との違いがどういう変化をもたらすか、しっかりウオッチする必要がある。(Y)

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