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霞ヶ関ファイル

小川法務大臣の記者会見

 (4月6日)

検察、再生取り組みから1年

【小川大臣】本日の閣議は法務省案件はございませんでした。法務省からの報告ですが、検察改革の取り組みの進ちょく状況について、昨年4月8日に当時の江田大臣の下でこの改革案に取り組むということを公表しまして、その中で1年を目途に進ちょく状況の取りまとめを公表するということでございましたので、今回公表させていただいたわけでございます。

 進ちょく状況の具体的な内容は、配布の資料の通りです。私の感想を申し上げますと、こうした取り組みというものは、システムを作るということも重要でありますが、何よりも一番大事なことは、やはり検察官の意識を改革することではないかと思っております。

 今回は、大阪地検の特捜部の事件が発端でございましたが、特捜部に行くことがいわば出世の道であるとか、特捜部で大きな事件を仕上げることが一つの出世の道であるとかということではなくて、やはり、日々、様々な状況や持ち場に応じて、適正な職務をしっかりと遂行するということが本来の検察官の役割ではないかと思います。

 そういった点で、しっかりと検察官を評価するというような仕組みを整え、そして、それが適正な起訴、あるいは適正な不起訴というものができる、そうした適正な判断ができるということを検察官の評価とするというような意識、そして意識改革が一番重要ではないかと思っております。

【記者】検察の再生に向けた取り組みを開始してから1年経過したということで昨日公表されましたが、現状それを実施された中で、どの程度根付いてきたかというような、その辺りの所感をお尋ねいたします。

【大臣】特捜部における独自捜査においては上司の決裁を得るという仕組みになっているわけですけども、着実にこれは実行されているなということでございます。ただ、これが着実に実行されたから検察官の意識がさらに向上されたかどうか。あるいは、問題がなくなったのかどうか。これはもう少ししっかりと検証して、もちろん効果が出ているということを期待しているわけですが、これで終わりということではなく、こうした仕組みがしっかりと機能しているかどうか、しっかりと検証していきたいと思っております。

【記者】今の大臣のお言葉の中に、可視化について、質・量ともに拡大していくというお話がありましたが、これはもう少し具体的にいつまでの目途で検討しているかとか、どういう範囲で検討しているかということをお聞かせ願います。

【大臣】1年間の試行をしてまいりまして、その試行についての状況を検証をして、早急に、早い時期にまとめて皆さんにその試行の状況を報告したいと思っております。この1年間の試行で終わりということではなく、さらに可視化の導入という目標に向かって1年間行ってきた試行をさらに質・量を拡大するということを具体的には指示しております。どのように質・量を拡大するかということについては、まだ固まっておりません。検討中でございます。

【記者】質・量ともに拡大するということは、1年間の試行を御覧になってここが足りないとか、こういうところをもっとやるべきではないかということで指示を出されたということでしょうか。

【大臣】正に総論的に、今まで1年間試行をしてきたから、さあこれでいいよということではなくて、また同じパターンで続ければいいよということではなくて、もっとさらに質・量ともに拡大してもらいたいというのが考えですが、では具体的に何かといいますと、これまで1年間行ってきた試行についての検証を行い、それについて様々な結果が出てくると思います。


【記者コラム】

検察の意識改革はどうする?

 3月末、小川法相の命令で3人の死刑囚の刑が執行された。死刑執行は1年8カ月ぶりだった。法相就任当時、死刑確定者は130人を超えており、就任直後の記者会見で「(死刑確定者が増える状況は)法律の趣旨に合っていない」と発言した法相が実際に執行を命令するのか、注目されていた。これで一つ、〝公約〟のハードルを越えたわけだが、これから待ち構える検察改革のハードルはさらに高い。

 証拠改竄・隠蔽事件を契機に、可視化の導入、地検特捜部の独自捜査に対するチェック、人事評価といった検察システムの改革は進んでいる。しかし、記者会見で小川法相が「何より重要なのは検察官の意識改革」と述べたように、最大の課題は検察官の意識改革だ。

 検察組織が国民の信頼を回復するには、冤罪の防止と犯罪者の処罰という二つの側面からのアプローチが求められる。冤罪防止ばかりに重点を置くと、〝巨悪〟がのさばることになる。逆に、犯罪者の処罰に偏ると、特捜部検察官の巧妙心から冤罪を生みやすくなる。

 そもそも証拠改竄・隠蔽事件を起こした検察の歪の背景には、検事のエリート意識や奢りがあった。冤罪を防ぎつつ、巨悪を適切に罰するには、真実と正義を追及する責務について、検察官1人ひとりの使命感、倫理観の向上が絶対不可欠。小川法相に求められるののはそのためのリーダーシップである。

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